その2 冠動脈について

前回は心臓の基本的構造について説明しました。
今回は心臓の基本的構造の一部である冠動脈(または冠状動脈)について説明します。

冠動脈とは?

 冠動脈(冠状動脈)は心臓に栄養を送る動脈です。心臓は休まず動き続いているので常に酸素と栄養を必要としています。その酸素と栄養を送るパイプラインが冠動脈(冠状動脈)です。血液は左心室から駆出された後、大動脈に入ります。大動脈に入ってすぐのところから右冠動脈と左冠動脈が枝分かれしています。この枝分かれした冠動脈を通って心臓のいたるところに血液が流れます。

動脈硬化になってしまうと

 もし、この冠動脈の一部に高度の動脈硬化をきたしてしまうと、冠動脈の血流が少なくなったり途絶えてしまいます。このような状態は実際には狭心症や心筋梗塞として現れ、中高年の頻度の高い病気として重要です。冠動脈疾患の病気は中高年の人に頻度が高いため、親戚や知人に冠動脈の治療(薬物療法、カテーテル治療、バイパス術)を受けている人がいる、ということが多いと思います。

以下に、冠動脈(冠状動脈)の写真を示します。
左側の写真が左冠動脈で、右側の写真が右冠動脈です。どちらも正常冠動脈です。

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