会長 川並汪一
2019年は年末からパンデミックなコロナ禍に陥り2020年、2021年の活動は地球レベルでほぼストップしました。
その間、社団は「認知症Gold-QPD育成講座」体制をドラスティックに進展することとなり、将来に向けて再チャレンジする準備期間となりました。
2018年に学習講座〔Gold-QPDmooc〕を「認知症・健康長寿実践セミナー」と改めました。
2020年には受講手続きも含めフルオンライン化し、2022年には、「三焦鍼法実践セミナー」と改称し、受講者の範囲も専門学校学生にまで広げました。
さらに「医師専用鍼灸プログラム」も開始したところです。
以上ITにおける「DXの実現」には、当社団の中間優理事によるご尽力があったことをお知らせします。
今回わたしどもは、役員の大幅な若返りで世代交代を図りました。
近い将来、部門責任体制としてGold-QPD鍼灸師の地域フロンティア代表が軸となる活動態勢を構築したい。
そして、当社団はその趣旨である「高齢社会の統合医療」を推進し実現して参ります。
ところで三焦鍼法は「益気調血 扶本培元」を旗印とします。韓景献先生とともに認知症の治療体験を重ねております。認知症予防と治療はいわば私どもの活動原点であります。
このところ、「コロナ後遺症」や「メンタル疾患」などを治療する中で、患者さんから大変喜ばれる事実も明らかとなっております。
その効果を医学的にどのように理解するかは、大きな課題として残ります。
6穴9鍼の刺激伝達経路(経絡)は神経線維に一致するわけではありません。まして血管系とも言えません。
現時点までの治療体験から、刺鍼刺激は、海馬や視床下部の所属する大脳辺縁系の異常つまり記憶と自律神経の不調を調整するものと推測されます。
刺の刺激と大脳辺縁系賦活作用との関係についてはさらに深堀する必要がでてまいりました。
「気、血、津液」の産生と循環メカニズムを理解するには、先端医学・生物学・物理学など総合芸術的な解析が不可欠となるでしょう。
その意味で、鍼灸は“State of the Art”にあります。
今年の年報第43号は、「認知症とその延長上のメンタル不調」について貴重な鍼灸医学の特集となりました。
三焦鍼法治療の総合科学的分析が不可欠となります。
2023年5月