一般社団法人老人病研究会は、健やかな長寿社会を目指し、健康長寿Gold-QPD事業を実践する。


市民公開講座
平成28年度 第1回 開催報告
認知症の診断は進歩したのに治せないのか

市民公開講座“健康の集い”は、過去10年間に既に25回を当社団法人が主催で開催してきました。
本年度の市民公開講座は、日本医科大学武蔵小杉病院が、毎月1回開催します。
12テーマの年間計画に対し、「老人病関連の6テーマ」については、一般社団法人老人病研究会との 共催にすることになりました。今回は新企画の第一回目の講座でした。

「認知症の診断は進歩したのに治せないのかル」~ならば家族・社会が出来ること~ 開催報告

講演者日本医科大学武蔵小杉病院 神経内科部長
三品 雅洋先生
 (日本医科大学大学院医学研究科脳病態画像解析学 寄付講座教授)
参加人数: 139名

開演の1時間前から、老若男女の市民が続々と集まってきました。
開演時には会場が人であふれ、補助の椅子を空いた所に補充しました。


三品雅洋先生 認知症とは「後天的な脳の障害によりいったん正常に発達した知能が不可逆的に低下した状態」と定義されます。
認知症の中には、水頭症や甲状腺機能障害など、治る病気もあります。
本日は主に、アルツハイマー病の認知症についてについて解説しました。
認知症の症状として、中核症状と 周辺症状(BPSD)を紹介しました。この認知症はくすりでは症状を遅らすことはあるが、治癒させることはできない。
しからば、薬以外の方法で、認知症の症状を遅らせる方法を紹介しました。


  • 現実見当識訓練
    個人情報に質問に始まり、今いる場所や日付けなどの質問を繰り返し、残存気に働きかける訓練で、認知症の進行を遅らせる療法である。種類としてスタッフが24時間訓練する方法と少人数の患者が会合して行うものとある。個人及び現在の基本的情報(名前、場所、日時、人物なそ)が提供され、訓練される。
  • ユマニチュード
    認知症のケアをするためのフランスのイブ・ジネスト氏によって、開発された方法。見る、話しかける、触れる、立つという4つの方法が柱となっている。
  • バリデーション療法
    認知症の人に嘘をついたり誤魔化したりせず、「傾聴」と「共鳴」を基本にコミュニケーションを行う療法。介護者が精神を集中させ質問で訓練する。開かれた質問(5w1ℍ)をする。相手の言葉と同じ言葉を繰り返す、極端な表現を使う、反対のことを想像する、懐かしい思い出話をする、あいまいな表現を使う、高齢者の好きな感覚を用いる、親しみをこめたアイコンタクトを意識する、はっきりとした低い、優しい声で話す、手や肩などの心地よい場所に触れる、音楽を使う、相手の動きや表情に合わせる、などの接遇技術を獲得する。

講演後、三品先生は約10名の方々から個人的な質問をうけ、丁寧に答えられていました。

会場


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