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市民公開講座
平成28年度 第2回 開催報告
もう頭痛で悩まない
本年度の市民公開講座は、日本医科大学武蔵小杉病院が、毎月1回開催します。
12テーマの年間計画に対し、「老人病関連の6テーマ」については、一般社団法人老人病研究会との 共催にすることになりました。今回は新企画の第2回目の講座でした。
「もう頭痛で悩まない」 開催報告
講演者日本医科大学武蔵小杉病院 脳神経外科部長
喜多村孝幸先生
当日は曇りがちのお天気でしたが、開演の1時間前から、老若男女の市民が続々と会場の武蔵小杉キャンパス南館に集まってきました。
参加人数: 125名
頭痛の種類を紹介しました。
一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。
一次性頭痛では、日常的な頭痛で、風邪をひいた時や二日酔いの時などです。繰返す頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛があります。
二次性頭痛は、緊急治療が必要な頭痛で、脳腫瘍や頭蓋内出血(クモ膜下出血、脳内出血、硬膜下出血)が有ります。
頭痛の有病率:日本人の調査での有病率は38%との報告があります。病態別では筋緊張性頭痛が22.4%と最も高く、次いで片頭痛が8.4%、その他の頭痛が9%です。
命にかかわるクモ膜下出血から解説されました。
40歳過ぎの人、突然の痛み、頭がボーとする、手足の麻痺、しびれ、言葉が出てこないなどの背景や症状があります。クモ膜下出血は脳動脈瘤の破裂で、突然に過去に経験したことのないほどの強烈な痛みがおこります。致死率も三分の一と高く、また後遺症も出る場合もあります。脳動脈瘤の治療には、クリッピングなどの手術があります。
脳腫瘍の頭痛は、転移性ですが、痛みとしては軽いようです。いずれにせよ、「40歳以上の方々には、一度はMRI の画像診断を受けること」がお勧めです。
片頭痛は80%が女性に起こり、月経時や天候不順の時に起こりやすい。ズキンズキンと脈打つような痛みです。
発作は4~72時間続きます。動くと痛みが増し、時には気持ちが悪くなったり、吐き気をもおきます。光や音が気になって頭痛がおこる場合もあります。寝込んでしまい、日常生活にも支障がおこる方もいます。血管の収縮で、脳血流の低下が原因となります。
治療するには、三叉神経の血管系を活性化・三叉神経の炎症抑制をする専門の薬が4種あり、それらの一つが処方されます。
筋緊張型頭痛は血行不良を起こし、酸欠になった状態です。
ダラダラと痛む、肩こりや首のこりを
を伴う。最近ではパソコン操作やスマホいじっている場合などは、姿勢が悪くなっておこることもあります。ストレッチ体操や暖める、リラックスすることで症状を軽くすることもできます。消炎鎮痛剤が処方されます。またドラッグストアーなどで販売されている薬も有効です。使い方の目安として、単一成分薬(ロキソニンやバファリン)では、月に15日までの使用、カフェインなどが配合されている薬では、月に10日以内の服用が望まれます。3か月以上乱用すると、乱用性頭痛も起こります。
20-40歳の男性に起こりやすい。目の奥がえぐられるような激しい痛みが側頭部で起こり、涙が出る、鼻が詰まるなどの症状がおこります。
治療するには、三叉神経の血管系を活性化・三叉神経の炎症抑制をする専門の薬があり、トリプタン製剤(イミグランなど4種類)が処方されます。
講演の終了後、聴衆の方々から質問を受けられ、解りやすく答えられていました。