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市民公開講座
平成28年度 第5回 開催報告
まぶたの加齢
~若い時のように開けられますか~
講演者日本医科大学武蔵小杉病院 形成外科部長
村上正洋先生
座長: 三品雅洋先生(日本医科大学武蔵小杉病院 神経内科部長)
会場: 日本医科大学武蔵小杉キャンパス南館2階講堂
会当日は、師走の忙しい時期でしたが、開演の1時間前から、聴衆が続々と集り、参加人数は170名を超え、会場は満杯となりました。
講演者: 村上正洋 先生
村上先生は、1989年日本医科大学卒業、附属病院の皮膚科、外科、形成外科を経て、オーストラリアの
ロイヤルアデレート大学に留学され、2007年に武蔵小杉病院の形成外科部長・教授となられています。
● 冒頭に「形成外科とはどんな外科の診療科?」という話から始めました
形成外科とは、臓器を特定しない外科で、機能的にも、外観の見た目にも異常な状態を正常にする外科です。医学的には、最も古い、診療科の一つで、ギリシャ時代から戦争や事故による外傷を治療するところから始まっています。現在の形成外科の治療は多岐にわたります。先天異常(多指、鼻の再建)、ほくろ、火傷の跡のケロイド、刺青の消去、しわを伸ばす(ヒアルウロン酸注入)、乳がんの乳房再建、皮膚がんの後の皮膚形成、足の太田母斑、口の整形などです。
● 次いで本講演の主題である瞼が下がる病気の「眼瞼下垂」についての解説に移りました
上まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)が弱いために、黒目の半分以上が上まぶたにかくれ、目が開かない状態のことです。生まれつきの異常もありますが、加齢や長期間のコンタクトレンズの使用によっても瞼が下がってきます。またそうすると瞼が瞳孔を塞ぎ、視野が狭くなり、見にくくなってきます。瞼が開けにくくなると、目つきが悪くなってしまう、顔のしわが深くなる、目の疲れを感じ易くなる、ひいては頭痛や肩こりが酷くなることがあります。
● 眼瞼下垂症の手術は、色々な方法があります
熟練した医師が担当して、適切な手術方法を選択します。おでこの筋膜を引っ張って、眼瞼挙筋上げる手術、ゴアテックのシートを使って上げる措置などを行います。眼瞼の皮膚弛緩症では、皮膚が余っているので、一部を切除し、縫合する手術もあります。下まぶたが下がって、さかさまつげの状態では、涙をためる機能が損なわれることもあり、その時も適切手術を選択します。
眼瞼痙攣はドライアイとは違う疾患で、ボトックスという薬剤を注射し、筋肉を動かさない治療をします。
日本医科大学武蔵小杉病院、形成外科での手術は、痛みは無く、おおむね30分程度で終わります。眼帯もしません。48時間後からは、洗顔も洗髪もできるようになります。眼瞼に異常のあると感じた方は、ぜひ当科の受診をお勧めします、とご案内されていました。
講演の終了後、フロアーから5人の方々の質問があり、さらに残った聴衆の数名の方々から、個別の質問に対応されていました。
当日の会場風景