公開講座 健康の集い
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市民公開講座
平成28年度 第4回 開催報告
白 内 障
~これからの人生を楽しむために・・・
屈折矯正手術としての白内障手術~
講演者日本医科大学武蔵小杉病院 眼科部長
鈴木晴久先生
座長: 松田潔先生(日本医科大学武蔵小杉病院救命救急センター長)
参加人数: 148名
机付き椅子を96人分用意しましたが、開演時間20分前には満席となり、会場の前後に急遽椅子席を50脚以上加え、会場は満席となりました。
講演者: 鈴木晴久 先生
● 冒頭に目の構造を写真機に例えてわかりやすく解説しました
水晶体がレンズで、網膜がフィルム。逆さに写った像を視神経を通じて、脳で解析をするとのこと。角膜から脳までのどこかに障害が起これば、視力は低下します。 正視、近視、遠視、乱視の仕組みを解説しました。その他に老視というものがあり、若い時はめがねがいらなかったが、40歳過ぎに手元の新聞が見えなくなった、遠くを見てから近くを見るとぼやける症状です。
● 白内障について
- 眼科の疾患で、最も多い病気で、有病率は28.3%と最も多い。(緑内障は16%)
- 加齢に伴って、増加してゆきます。30歳代でも約20%の有病率ですが、70歳代では80%ちかくの有病率です。男女の性差は殆どありません。
- 自覚症状としては、目がかすむ、まぶしい、明るいところが見えにくい、一時的に近くが見えやすい、眼鏡が合わなくなる、二重・三重に見える。同時に視力の低下が伴います。後進国では失明に至る患者が多いですが、日本では白内障の手術が発達していますので、失明することは極めて稀です。
- 白内障の原因は、眼の水晶体は正常では透明で、光を通しやすい状態ですが、水晶体に存在する蛋白質が変性して凝集し、濁りが出てくる状態です。
- 手術は、点眼の麻酔薬を使いますので、痛みは殆どありません。外来に手術室が設けられ、日帰り手術です。手術に要する時間は、30分以内で終わります。
- 手術の方法は、角膜に小さな傷口を開けます。
- 超音波乳化吸引術で、濁った水晶体内容物を吸引して除去します。
- そこに、眼内レンズを装着してゆきます。
- 眼内レンズには4種類あります。単焦点レンズ、トーリックレンズ(乱視矯正用)、 多焦点レンズ(二重焦点・三重焦点)、調節可能眼内レンズがあります。 調節可能眼内レンズは、一番最近に開発された優れたレンズですが、国の承認が無く、健康保険がきかず、自費診療となります。
- 単焦点レンズ、多焦点レンズのどのものを選ぶのかは、手術前の症状・検査値から医師が判断して、患者さんに丁寧に説明して話し合いをして決めてゆきます。
- 術後には、視力の回復がもたらされます。視力が0.3の方が、1.2ぐらいになることもあります。
- 両眼の手術を同一日に行うところもありますが、あまりお勧めできません。片眼の術後の経過、検査結果を見て数か月後もう一度適切な治療のためのレンズを選ぶことができます。
- 白内障の治療薬が、最近外国で優れたものが開発中で、数年後日本でも使われる可能性があります。
- 予防法としては、ポリフェノール含量の高い食品が良いようです。代表的なものは、少量赤ワインを飲むことでの報告もあります。
- 最後に、鈴木先生は白内障の治療に関して優れた論文を多く出されていて、すでに欧米や日本の学会で表彰されていることが紹介されました。
個別質問に多くの人々。先生は丁寧に相談にのっていました。