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- 第12回 認知症についてもっと知識を深めよう
- 第11回 知って得する糖尿病の知識
公開講座
第23回 「健康の集い」開催報告
「高齢者の排尿のトラブル~原因とその解決方法~」
「高齢者の排尿のトラブル~原因とその解決方法~」 開催報告
演者
日本医科大学武蔵小杉病院泌尿器科 部長 堀内和孝先生
日時:平成27年2月15日(日)14:00~16:00
場所:富士通ユニオンビル (武蔵小杉駅歩いて3分)
参加人数: 125名
共催: 一般社団法人老人病研究会、アステラス製薬株式会社、中原区医師会
後援:日本医科大学武蔵小杉病院、川崎市医師会(生涯教育認定講座)、小杉町一丁目町会、
中原区老クラブ連合会
冷たい雨が降る中で聴衆の集まりが心配されました。 開演20分前には70名以上の方々が席につきました。堀内先生は“今からご質問に答えます。”と講演開始時間前から、次々と10名の方の質問に答えて下さいました。 定刻には125名の参加者となり川並汪一会長の開会挨拶の後、そのまま座長として堀内先生を紹介し話が始まりました。
講演される堀内先生
講演は以下のように泌尿器に関わる幅広い話となりました。
*泌尿器(腎臓・膀胱・前立腺)のしくみから始まり
*正常な排尿とは(排尿回数 7回/日、就寝後の排尿:0、
排尿量200~400ml/回、総排尿量1000~1500ml/日)
*頻尿>8回/昼、>1回/夜 原因は膀胱炎・前立腺肥大症・糖尿病・脳梗塞・心臓/膀胱機能
低下など多様です。
*過活動膀胱の症状:尿意切迫感・昼間頻尿・夜間頻尿・切迫性頻尿。過活動製頻尿症状
(自己チェック・アンケート配布)
患者数;810万人(尿漏れ無し;
380万人、尿漏430万人)
40歳以上女性10人に1人、
男性7人に1人と加齢で増加傾向。
薬物療法と自己訓練法(骨盤低筋体操、膀胱容量を増やせる)。
*腹圧性尿失禁:重いものを持ち上げたり、咳やくしゃみで尿漏れ。女性8人に1人が経験。
投薬、骨盤低筋訓練も有効。
*前立腺肥大症:残尿感、頻尿、尿が途切れ、尿意切迫感、尿勢低下、腹圧排尿など。
(国際前立腺症状スコアで自己チェック)、投薬療法
(αブロッカー、
抗男性ホルモン剤、過活動奉公治療剤)、低浸襲性治療(レーザー切除、
尿道ステント)、手術療法(切除術)がある。
*前立腺癌:日本では泌尿器癌の第1位。2020年には胃がんを抜いて第一位になる予想。
PSA検査(血液)、経直腸超音波検査でスクリーニング、
針生険で確定診断、
更に病気診断を行い、治療に入ります。経過観察、手術、放射線療法、
内分泌療法(女性ホルモン剤)などが適用。
*高齢者の尿失禁:ますます増えています。
尿失禁といっても、いろいろな原因や症状があります
今までかかった病気
・脳梗塞や脳出血になったことがある⇒切迫性尿失禁・溢流性尿失禁
・子宮癌や直腸癌の手術をしてから、排尿の調子が悪くなった⇒溢流性尿失禁
・前立腺肥大があるといわれている⇒切迫性尿失禁>溢流性尿失禁
・前立腺の手術をしてから、尿が漏れるようになった⇒腹圧性尿失禁
・脊柱や脊髄に病気がある⇒切迫性尿失禁
・神経因性膀胱といわれている⇒切迫性尿失禁・溢流性尿失禁
原因となる病気を知ることで、漏れるタイプが予測できます
高齢者の尿失禁には介護が必要。家族が注意深く観察しコミュニケーションをとりながら 対応してゆくことが大切です。尿意さえ的確にキャッチできれば尿失禁の改善が可能です。
“オムツは最後の手段に” 次のような工夫をして見ましょう。
●水分の摂り過ぎに注意
●早く用が足せるように着脱の容易な衣服に
●トイレに近い部屋に
●ポータブルトイレを置く
●時間をみてトイレに誘ったり、尿器をあててみましょう
●尿をしたい態度、身ぶりサインを見逃さないようにしましょう
講演終了後、10人以上の方々から質問が寄せれ、堀内先生は、解りやすい言葉で答えて下
さいました。健康の集いで初めて泌尿器疾患を取り上げました。高齢者の排尿トラブルに
ついて極めて関心が高く、活気ある講演会となりました。
<文責:事務局 湧口泰昌>